寺院建築その5
南西面外観
↑画像にカーソルを合わせると夜景になります。
この建物は、かつて中山寺に存在していたとされる五重塔を再建したものです。 聖徳太子によって建立された紫雲山中山寺は、伝統的な堂塔伽藍によって配置されており、中山寺に 保存されている参詣曼茶羅には、現存しないものが幾つか見られ、その中に大願塔と五重塔が描かれ ていました。 大願塔は、平成19年に再建を見、同様に五重塔再建は大本山、檀信徒長年の悲願でありました。 永年の月日を経て再建の機運が高まり、平成29年3月に落慶、青龍塔と名付けられました。 構造は完全な伝統工法による木造ですが、現行建築法規における基準、耐震姓をクリアしており、塔 地中は高さ10mにも及ぶ堅牢な鉄筋コンクリート基礎となっています。 |
大願塔・青龍塔夜景
左が平成19年落慶の大願塔。右が青龍塔。夜間にはライトアップされ鮮やかな対比を見せます。照明は 10年の隔世を経てLED照明に変化し、時代と技術の変化が見てとれます。 |
南面外観
↑画像にカーソルを合わせると夜景になります。
塔の規模、プロポーションは過去の五重塔の調査研究をはじめ、この地に最適となる様、試行錯誤が 行われています。また設置が必要となる避雷針は、最上部の相輪に内蔵されており、塔のスカイライ ンを邪魔しないものとしています。 |
扁額
「青龍」が揮毫された扁額。仏の智恵と、東西南北を司る四神のうち東方を司る青龍の名の通り、垂木、 斗供等木部は青色に彩色されています。 |
初重・裳階
調査研究のひとつとなった海住山寺に倣い五重塔には珍しい裳階を設けています。また初重の板壁 は構造上重要な要素となるため、色々と工夫がなされています。 |
青龍塔へのエレベーター
五重塔再建に合わせエレベーターも弊社にて設計しています。山門より階段を上ることなく、塔の建つ 広場まで行くことが可能です。 |
南東面外観
右に少し見える屋根は既設計のエレベーター屋根。鉄筋コンクリート製ながら新設エレベーターも同デザ インとし、周囲伽藍との調和を図っています。 |
風鐸・小口錺金物・鬼瓦 | 西面見上げ |
寺院建築に欠かせない金物類や瓦も伝統的な匠の技 が受け継がれています。 瓦は鬼瓦だけではなく様々な装飾瓦が載っています。 龍、蟹、蛸、蜻蛉、蛙、ナマズ、バッタ、クワガタ等がい るのですが現地で見つけられるかな? (双眼鏡が必要かもしれません) |
全てが青い彩色ではなく、初重裳階や欄干は木材の美 素仕上です。 軒反り、垂木の枝割等、美しいプロポーションとなる様 に検討されています。 |
西面外観
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