特集 築70年余の民家のリフォーム

M邸

豊能郡能勢町にある築70年以上の歴史を持つ民家の改修を行いました。お施主様は不要となったお竃
さんのある土間の有効利用を望んでおられました。設計にあたっては出来るだけ歴史ある外観や木材を
大切にし、ささやかな建築的操作を施すことにより,空間の再生を目指しました。日本においては,改修
と言いますとすぐに歴史ある建物を壊して、安直に新しい建物を立ててしまうような風潮がありますが、
時々に必要な手を加えつつ、建物を大切に次世代へ引継いでゆくことが文化を守り、ひいては大切な地
球資源を守ることにも繋がると考えます。

 

応接室に続く玄関

 

応接室より玄関を見る
…上の写真から見ると玄関土間と応接間は一体に
見えますが、実は既設柱、梁間に一枚の強化ガラ
スが仕込まれ、室内の快適性と開放感を両立して
います(写真左)。ガラス越しに天井からぶら下って
いるのは、屋根裏へ上がるための可動ハシゴ。

 

 

改修前のお竃(くど)さんのある既設土間 改修された応接室(同じ位置)

 

改修後の応接室は、元の土間より床を約500mm上げているため,胴差(部屋内に見える水平な木材)の
低いユーモラスなプロポーションとなっています。
既設構造材は、ほとんどのものが再利用されています。露出の小屋組は長年の汚れを丁寧に落し、新し
い木材は既設の木材に色調を合わせて仕上が行われました。

 

応接室(丸太の梁)

 

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