T邸

撮影:喜多 章

和室8帖床の間

京都風の数寄屋建築の美しい外観は、つま先立ちで手が届くほど、低い軒先がもたらす、バランスの
とれたプロポーションから生れます。これは、漫然と階を積んでいては決して実現し得ないものです。
この住宅では、上の写真に見られるように、勾配天井を採用することで、低い軒先を実現しています。

 

↓写真をクリックすると拡大します。

正面外観 玄関ポーチ 玄関寄付 茶室外部廻り 茶室躙口
        撮影:喜多 章

写真解説

正面外観 : 左手の門屋根は銅板葺。塀と建物間に植栽を設けることで奥行感を生んでいます。
玄関ポーチ : 敷地が狭いため、玄関のレベル差を利用し、門を建物と一体化させています。

 

 

 

N邸

南面外観 正門

 

階段室
階段室踊り場に設けられた上品なニッチが、空間に変化をもたらします。

 

ディテール〜消える開口部のマジック

応接室

和室10帖側から見たところ。

N邸の応接室と和室10帖は隣接して配置されています。この住宅は、年に数回、大人数の客人を、お
もてなしするために大空間(応接室〜和室10帖の続き間)の要望と、平時は、完全に独立した応接室
とするという、相反する2つの要望がありました。従って、通常の続き間によく見られる、洋室〜和室間
の一般的な引違い戸や市販の可動間仕切の設置は認められませんでした。
この課題を解決するため、和室に隣接する応接室の壁を二分割引込み式とし、床と天井に特殊なレー
ル加工を施すことにより、閉じた時は完全にフラットな壁を実現しています。(写真左下)これは、よくあ
る可動間仕切とは比較にならない加工精度が要求されるもので、スムーズな作動とガタのない仕上り
とする様に検討がなされました。
又、閉じた時、和室10帖側壁部分は、襖により隠蔽される仕掛になっています。

この仕組みを、上のアニメーションでご確認ください。

 

応接室

写真向って右側が 和室10帖と続き間と
なる可動壁。この状態では、壁が可動し
空間が現れるとは感じさせない仕上り。

和室10帖

応接室側から見たところ。

 

続きはこちら